夕映えとともに

夕映えとは「夕日の光を受け、物がより美しく見えること」をいう。

「美しい」とは、とても抽象性の高い言葉であると思う。
何を耽美と思うか。それは個々人の「感性」に委ねられるからだ。

夕映えにより「色」を失った花を美しいと思い、それを写真に閉じ込めた。
色鮮やかな花もそれはそれでいいけれど、そればかりでは飽きてしまう。
何気なく道端に咲く花々は、鑑賞する角度、あるいは時間帯、
鑑賞者の心の在り様等によってその見え方が変化する。




色を失った花に心の中で自分なりの色を重ね合わせる。
強制ではなく自由に色を重ね、独自の存在を心の中に作り上げる。
そんな「遊び」をしていた1ヵ月前。

桜の花びらが風に舞い、流れる川の水面へ着水する。
その一連の軌跡をただただ車窓から眺める今現在。

心の在り様が自分の中にある「美しい」を変えていく。